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長坂有希 ストーリーテリング・パフォーマンス&トーク「アンガス / ライオン」

<手で掴み、形作ったものは、その途中で崩れ始めた。最期に痕跡は残るのだろうか。>

これは、長坂が現在続けているプロジェクトのタイトルです。長坂はロンドン滞在中、美術館や資料室に収蔵されているモノ、街の中にある建築物やモニュメント、出会った人々に興味を持ち、その下にひそんでいる歴史を時間をかけてリサーチしてきました。そして、一見独立して存在するように見えたそれらの間に関係性を見つけたり、自身の記憶と想像を用いて繋げていった結果、物語が形成され序所に作品となっていったと言います。

長坂の作品は彫刻や写真、映像、音などの様々なメディアを含みつつも、主軸は言葉や物語で作られています。このプロジェクトの始まりにあたる<00_景色>と第一章<01_アンガス>は、2014/10/25-12/14に国際芸術センター青森で開催された展覧会「マテリアルとメカニズム」で発表されました。この展覧会で観客は、大きなアンガスのタイポグラフィーが張り巡らされ、額装された写真が掛けられた壁をぬけて、木の彫刻が置かれた暗がりの部屋に入り、作家によって語られるアンガスの話を聞きます。アンガスは、写真家、アイルランド神話に登場する神、スコットランドにある地方、牛の種類、深海探索装置が混在してできた一つの人格です。観客は、次々に移り変わる物語を追いながら、見ることや辿り着くことができない世界に想像をはせることになります。

今回、マークスタジオでは<01_アンガス>の再演パフォーマンスを行います。アンガスの文字がプロジェクターで壁に投影される中、長坂によるアンガスの話を聞きます(約30分)。そして今年より本格的に制作が始まる、第二章<02_ライオン>のプロジェクトの全容を聞きます。第二章は「クニドスのライオン」と呼ばれる彫刻を巡る話です。長坂は約1ヵ月かけて、この彫刻の素材となった大理石が切り出された採石場であるギリシアのペンテリコン山、英国に運ばれるまでこの像が鎮座していた現在のトルコ西海岸に位置するクニドス遺跡、ロンドンの大英博物館を訪ねる予定です。

パフォーマンス、トーク後に、参加者全員でにぎやかに交流会が出来ればと思っています。ぜひ、お誘い合わせの上お越しください。

長坂有希(1980年大阪出身)は大阪を拠点に活動している現代美術作家。テキサス州立大学芸術学部にて学士を取得(2005)、現代美術センターCCA北九州リサーチプログラムを修了(2006)、国立造形美術大学シュテーデルシューレ・フランクフルトにてサイモン・スターリングに師事し、修士を取得する(2012)。文化庁新進芸術家海外研修制度を受けロンドンで調査、制作を行う(2012-13)。「マテリアルとメカニズム」国際芸術センター青森(2014)、「Attention Economy」クンストハーレ・ウィーン(2014)、「Signs Taken in Wonder」MAKオーストリア応用美術館(2013)、「Zauderberg」フランクフルト現代美術館(2012)など多数の展覧会に参加。共同プロジェクトへの参加や企画も行う。「アートとサイエンスのあいだ」ではメンバーとしてブルキナファソ、イタリアで滞在制作を行い(2014)、「Baby, I lost my handshoes…」ではノルウェー、ポルトガル、オーストリアで展覧会を行う(2011-12)。展覧会やプロジェクトと平行して、多数のブックプロジェクトに参加し、自身のアートブックの制作や出版も行う。
http://www.akinagasaka.net/